交通事故発生後の流れは、一体どのようなものでしょうか。
ある日突然、交通事故の被害者となってしまった方のほとんどは、とにかく不安でいっぱいになってしまうのではないかと思います。
そこで今回は、
- 交通事故に遭ってしまったらやるべきこと(各手配)の流れ
- 警察や保険会社とのやりとり・各種手続きの仕方
- 解決するまでの道のり
について書いていきます。
もちろん実際には、被害者の方それぞれ解決までの道のりは異なりますが、大まかな流れだけでも知っておくことで、交通事故に遭われた方の不安を、少しでも取り除くことができれば幸いです。
また、以下の関連記事では交通事故の被害者が損をしないための知識についてベリーベスト法律事務所の弁護士が解説しています。交通事故で被害を受けられた方は是非ご参考にして頂ければと思います。
ベリーベスト法律事務所で、
悩みを「解決」して「安心」を手に入れませんか?
- 保険会社との交渉が不安・負担
- 後遺障害について詳しく知りたい
- 示談金(慰謝料)の妥当な金額が知りたい
などどんな小さなことでもお気軽に!
交通事故専門チームの弁護士が、あなたに寄り添い、 有利な結果へ
と導くサポートを行います!
ベリーベスト法律事務所で、
悩みを「解決」して「安心」を手に入れませんか?
- 保険会社との交渉が不安・負担
- 後遺障害について詳しく知りたい
- 示談金(慰謝料)の妥当な金額が知りたい
などどんな小さなことでもお気軽に!
交通事故専門チームの弁護士が、あなたに寄り添い、 有利な結果へ
と導くサポートを行います!
目次
1、交通事故発生直後の流れ
- とにかくまずは警察に連絡
- 自分が加入している保険会社に連絡
- 病院へ行き治療に専念
- 早めに弁護士に相談
詳しくは、以下に記載します。
2、交通事故後の警察とのやり取りの流れ
(1)事故が発生したことを報告する
まず、警察に連絡をすると、けが人の有無や、事故の状況、事故現場の住所等を聞かれることになります。
(2)実況見分を行う
そして、けが人のいる人身事故の場合、すぐに警察官が事故現場に駆け付け、車が衝突した場所について距離を測ったり、加害者、被害者、目撃者等から事故の状況について話を聞いたりして、「実況見分調書」を作成することになります。
もちろん、事故によって重傷を負ってしまい、救急車で緊急搬送が必要な場合等には、その場で事故状況等を説明することはできませんので、後日改めて事故現場に呼ばれ、実況見分を行うこともあります。
この実況見分調書は、事故からあまり時間が経過していないタイミングで、まだ記憶が鮮明である当事者から、第三者である警察官が話を聞いて作成するものであるため、事故状況を示す客観的な資料として、後に過失割合を決めるにあたってとても重要な資料になります。
(3)物件(物損)事故の場合
けが人がいない物件(物損)事故の場合には、実況見分は行われず、ごく簡単な物件(物損)事故報告書が作成されるだけになります。
ただ、もし事故から数日経って痛みが出てきたといった事情がある場合には、病院に行って医師に診断書を書いてもらいましょう。
実は、いったん物件(物損)事故として扱われ、物件(物損)事故としての事故証明書が作成されてしまったとしても、多くの場合は、人身事故に切り替えてもらうことが可能です。
そのため、後になって過失割合等でもめ事になってしまうことに備えて、診断書を警察に提出することで人身事故に切り替えてもらい、実況見分を行ってもらいましょう。
3、交通事故後の保険会社とのやり取りの流れ
(1)自分の加入している保険会社に連絡する
警察に連絡をしたら、次は自分が加入している保険会社に、交通事故に遭ってしまったことを連絡しましょう。
保険の種類によっては、自分の加入している保険会社に治療費を払ってもらえたり、今後の交渉を弁護士に依頼したときの費用を払ってもらえたりしますので、契約の内容を確認し、どのような手続きをとればいいかを確認してもらいましょう。
(2)加害者の加入している保険会社を確認する
また、加害者と話をすることができれば、加害者の加入している保険会社を確認しておきましょう。
これは、今後の話し合いの窓口になるのは、加害者自身ではなく、加害者の加入している保険会社の担当者であることが多いからです。
このとき、自分が行く予定の病院の名前を加害者の保険会社に伝えておくと、その後の治療費の支払いについての対応がスムーズにいくことが多いです。
保険会社のほかにも、加害者の氏名、住所、連絡先、就業先及び加害車両のナンバーなども控えておくといいでしょう。
4、交通事故後の治療の流れ
(1)治療費について
交通事故でのけがで病院に行った際の治療費については、
①被害者が一旦自分で立て替えて支払い、後日加害者の保険会社に請求する場合
②被害者は治療費を支払わず、加害者の保険会社が直接病院に支払ってくれる場合(「一括払いの対応」と言われます。)
があります。
一括払いの対応は、保険会社の義務ではなく、サービスとして行われているものなので、一括払いの対応がなされるかどうかは、けがの程度や治療期間によって変わります。
(2)健康保険を利用できるかどうかについて
交通事故でのけがで病院に行った際、「交通事故でのけがの治療に関しては、うちでは健康保険は使えません。」と言われてしまう病院もあります。
しかし、法律上は、交通事故でのけがの治療に健康保険が使えないという定めはありません。
被害者としては、保険診療として認められていない特殊な治療や、高度な治療がどうしても必要であると医師が判断したといった特別な事情がなければ、健康保険を使うことにデメリットはありません。
むしろ、健康保険を使わない場合、治療費が高額になってしまい、賠償義務を負う加害者側との間で紛争が生じるリスクもあるので、健康保険が使えるのであれば、使っておいた方が良いといえます。
(3)治療期間について
交通事故でのけがの治療をいつまで続けるべきなのかについては、けがの程度によってケースバイケースであり、実際に治療にあたっている医師が判断することではありますが、例えば、交通事故によって発症することが多いむちうち症の場合には、事故から6ヶ月というのが一つの目安と考えられます。
もちろん、事故から6ヶ月経ったらもう病院に行けないということではなく、6ヶ月も通院したのに症状が残っているということであれば、その症状はすぐに改善するものではないと考えられるので、交通事故による後遺障害として認められるものかどうか審査してもらう時期と考えられるケースが多いのです。
このように、治療をしてもすぐに改善するとは考えられない状況を、「症状固定」と言います。
5、症状固定したら!交通事故後の後遺障害等級認定の流れ
(1)後遺障害等級認定とは
上記のように、これ以上治療をしたからといってすぐに改善するとは考えられない状況、すなわち、症状固定であると医師が診断したら、その時点で被害者の体に残っている症状について、交通事故による後遺障害として認められるものかどうか、第三者機関に審査してもらうことになります。この審査を、後遺障害等級認定といいます。
後遺障害等級認定の申請方法には、被害者の方で行う被害者請求と、加害者の加入する任意保険会社が行う事前認定がありますが、以下では被害者請求の方法について詳述します。
(2)後遺障害等級認定の手続きの流れ
①後遺障害診断書の作成
後遺障害等級認定の手続きを行うには、まず、医師に「後遺障害診断書」を作成していただくことになります。
②必要書類の収集
そして、この「後遺障害診断書」、これまで受けてきた治療に関する資料(診療報酬明細書や診断書)、交通事故の状況に関する資料(交通事故証明書や事故発生状況報告書)など、審査の資料として必要な書類を集めて、加害者の加入する自賠責保険会社に提出します。
③自賠責調査事務所による審査
さらにその後、加害者の加入する自賠責保険会社から、第三者機関である損害保険料率算出機構の自賠責調査事務所に資料が送付され、審査が行われます。
(3)審査結果の通知までの期間
この審査にかかる時間は、やはり、けがの程度によってケースバイケースですが、1~2ヶ月で結果の通知がなされることが多いです。
後遺障害等級認定について、詳しくは「後遺障害が残ったら認定が必要!適正な後遺障害等級を獲得するために」をご参照ください。
6、保険会社との示談交渉の流れ
(1)損害計算
後遺障害等級認定の結果の通知が来たら、その結果に基づいて、相手方の保険会社と示談交渉を始めることになります。
まずは、交通事故によって被った損害額を計算します。
損害の内訳としては、大きく分けて物損と人身損害があります。
①物損について
物損については、事故車両の修理費、代車費用、所持品損害等があります。
このような物損については、事故後すぐに、実際にかかった費用等が明らかになることが多いので、治療が終わる前に、物損についてのみ示談交渉を進め、先に解決しておくこともあります。
②人身損害について
人身損害については、治療費、交通費、事故のせいで仕事を休んだ場合の休業損害、通院しなければならなくなってしまったことに対する慰謝料(通院慰謝料)等があります。
さらに、後遺障害等級の認定を受けた場合には、これらに加えて、後遺障害を負ってしまったことに対する慰謝料(後遺障害慰謝料)、後遺障害によって労働能力が制限されてしまうことによって生じる逸失利益も請求することになります。
(2)加害者の加入する保険会社への請求
このように損害額を計算したら、加害者と被害者の過失割合に応じて、加害者に対して請求できる金額を算出し、加害者の加入する保険会社に対して請求します。
(3)示談交渉
しかし、加害者の加入する保険会社が、被害者側から請求した金額をすんなり支払ってくれることは多くありません。
よく問題になることとして、例えば、慰謝料は、目に見えない精神的な苦痛に対する賠償金であり、治療費のように実際に支払われたものを機械的に計算して出てくるものではないため、その金額の算定の仕方などについて、加害者と被害者で言い分が異なり、争いになることがあります。
また、過失割合についても、赤信号で停車中に後方から追突された事案等は別として、被害者の運転する車両も動いていた場合等には、被害者にどの程度過失があったかが争われることがあります。
このように損害額や過失割合等について加害者の加入する保険会社との間で交渉を進め、双方が合意できれば、示談成立ということで、加害者の加入する保険会社から賠償金を支払ってもらうことになります。
7、保険会社と裁判した場合の流れ
(1)示談できなければ裁判に
このように加害者の加入する保険会社との間で示談交渉を続けても、損害額や過失割合等について、お互いの言い分が食い違い、どうしても合意できない場合もあります。
そのような場合には、加害者本人を相手方として、裁判所に訴訟を提起することになります。
そして、訴訟の中でお互いの言い分を主張し、その主張を裏付ける証拠を提出して、裁判官に判断してもらうことになります。
(2)判決以外の解決方法もある
訴訟を提起したからといって、必ずしも判決が出されるまで争うことになるとは限りません。
何回か裁判所で話し合いを行い、加害者及び被害者の双方からある程度証拠が提出された段階で、裁判官が、その時点での印象をもとに双方に譲歩を求め、金額を調整して和解できないか、話し合いをすることもあります。
この和解案に双方が納得できれば、訴訟上の和解という形で、判決と同じ効力を持つ和解調書を作成し、訴訟は終了します。
(3)それでも納得できなければ判決へ
このような和解の話し合いを試みても、やはりどちらか一方または双方が納得できないということであれば、証人尋問等、考えられる限りの主張・立証を尽くして、最終的に裁判官に判決を出してもらうことになります。
まとめ
このように、交通事故に遭ってしまってから、最終的な解決に至るまでの間には、長い道のりがあり、やらなければならないこと、考えなければならないことがたくさんあります。
今回の内容が交通事故に遭われた場合のご参考になれば幸いです。