嫁が嫌いでもう離婚したいけど子供との絆は守りたい…。このジレンマに直面している男性は多いです。
今回は
- 嫁が嫌いという理由で離婚することは可能か?
- 嫁が嫌いで離婚しても子供との絆を維持する方法はあるのか?
- 同じ葛藤を抱える男性たちの体験談
などについて解説します。
目次
1、嫁が嫌いになり離婚したいと思うようになったきっかけ
あるアンケートによれば、20~40代の既婚男性のうち、「妻と離婚したいと思ったことがある」人の割合はなんと全体の65.5%にものぼります。
その原因には一体どんなものがあるのか、世の男性たちが妻に対して「むかつく」「離婚したい」という思いを抱くようになるきっかけから、まずはチェックしていきましょう。
(1)夫への態度が冷たい
先ほどのアンケートでも最も多く寄せられたのが、「夫である自分への態度が冷たい」という嘆きの声。
結婚してからどんどん性格がきつくなり、ちょっと帰りが遅くなっただけで怒鳴られる、家事を手伝っても「やり方が違う!」といってきつい言葉を言いながら不機嫌になるなど、常に何かにイライラしている妻の様子にうんざりしてしまう男性が後を絶ちません。
(2)見た目に気を使わなくなった
新婚時代にはファッションもメイクも華やかで自慢の嫁だったのに、最近はたまの外出でも部屋着とほとんど変わらないファッションにすっぴんのまま…。
「体重が増えて明らかにぽっちゃりしてきた」と、おばちゃん体型まっしぐらの嫁を見て幻滅を感じる男性も多いでしょう。
(3)夫をATM扱いする
「あなたは仕事をするしか能がないんだから」「さっさとお金を稼いできて」と、夫の価値をお金にしか見出してくれない妻に対して、憤りを覚える男性もいます。
「愛する妻と子供のため」と思うことで辛い仕事を乗り切れる一面があることは事実ですが、その妻子が自分のお給料を好き勝手に浪費している…と思うと、上手く気持ちを割り切ることができないときもあるのです。
(4)子育ての方針が合わない
数ある価値観の中でも、子育てに関する意見の食い違いは夫婦にとって致命的な溝を生み出してしまうことがあります。
普段妻のほうがより多くの時間を子供と過ごしているとはいえ、妻が一方的に自分の意見を押し通そうとしてくる・完全に主導権を握られているといった状況に、苛立ちを感じるケースは多いでしょう。
(5)セックスレス
嫁に対してマイナスの感情が湧いてきてしまうきっかけとして、もうひとつ見逃せない原因がセックスレスです。
特に産後に誘っても拒否されてしまう、という出産をきっかけにセックスレスになるパターンが多く、頼み込んでなんとか応じてもらえても明らかに気乗りのしない嫁の様子に興ざめしてしまいます。
かといって不倫・浮気に走れば自分の立場が不利になるだけなのも分かっているので、行き場のない思いを持て余して悶々としてしまうでしょう。
2、嫁が嫌いになり離婚したいと思っている男性の声
ここからは、実際に嫁のことが嫌いで離婚を検討している男性の体験談をいくつかご紹介していきます。
(1)女性として見られなくなった
Aさんの妻は、出会った当初からかなり太めの体型で顔もAさんの好みではありませんでしたが、当時はお互いに失恋で心を痛めていたこともあり、慰め合っているうちに情も湧いて付き合うことになりました。
その後結婚して子供ができ、医者からも注意されたためダイエットに挑んだ妻は、見事体重を落とすことに成功。
Aさんも嬉しくなり、2人目を妊娠したときにもまた痩せるのではないかと期待しましたが、今度は1人目の育児ストレスがあったためか逆に激太りをする結果に。
母としてはとても心強く、育児を頑張ってくれていることに感謝しているものの、女性としてはただのおばさんにしか見えず、今では夜の生活も一切ありません。
(2)好き勝手している妻に嫌気
Sさんは昨年妻に浮気され、その相手との関係はもうきっちり清算できているのですが、妻から「心を入れ替えて家族に尽くす」という姿勢が一切見られないことに苛立ちを押さえられずにいます。
子供が5歳と2歳でまだ小さいのに、妻は週に5日も夜の時間帯のアルバイトへ。
そこで稼いだお金はすべて自分のお小遣いにしている上に、バイトの勤務時間が終わっても帰ってこないことも。
それらを問いただせば逆ギレして暴言を吐く始末。
子供の寝かしつけは主にSさんが行っており、いい加減妻にも愛想が尽きていますが、離婚しても妻に親権を取られてしまう可能性が高いのではないかと思うとなかなか離婚に踏み切ることができません。
(3)家にいることがストレスに
結婚10年の妻・小学3年生の娘と3人家族のNさんは、7年ほど前から妻とのセックスレスに悩み続けています。
妻はNさんの自営業の手伝いと娘の子育てに忙しく、その負担を少しでも減らすために朝食・昼食・週に半分の夕食は自分で用意。
妻が自分に食事を作ってくれるのは週に3日の夕食のみというのも不満ではありますが、何より娘に過干渉で、ことあるごとにきつく当たることにも心を痛めていました。
家にいると妻が娘を叱っている声を聞くのがストレスになり、ちょっとしたことですぐに機嫌が悪くなる妻にもうんざり。
毎日が憂鬱で、何のために生きているのかすら分からなくなってきています。
3、嫁が嫌いでも、男性が離婚を踏みとどまる理由
嫁が嫌いで心から離婚したいと思っているのに、具体的な行動には移さず耐える日々を送っている男性も実は少なくありません。
その理由は一体何なのか、詳しく見ていきましょう。
(1)子供が心配
離婚すると、子供の親権者は多くの場合母親になります。
どれだけ嫁との生活にストレスを抱えていても、その嫁と一緒に子供との暮らしまで手放さなければならないと思うと、やはり二の足を踏んでしまう男性は多いのです。
嫁の家事が雑であったり、夜遊びで家を空けることが多かったりすると、単純に子供の世話を嫁だけに任せるのが心配というケースもあります。
(2)経済的理由
現在共働きでなんとか生計を立てている場合、離婚して自分の収入だけで生きていくことに不安を感じる男性もいるでしょう。
家族の人数が減れば、食費など今より出費を抑えられる支出がある一方で、光熱費や家賃などは大して変わらないことも多く、支払いを折半することができない分純粋に負担が増えてしまうのです。
(3)世間体
結婚するときに祝福してくれた友達や家族の手前、なかなか離婚するとは言い出せないこともあります。
特に自分が周りからどう見られているかを気にする男性の場合、近所の人や職場の同僚・上司からの評価が悪くなることも心配で、自分が耐えれば済むことなら…と、離婚を踏みとどまりやすいでしょう。
4、嫁が嫌いという理由で実際に離婚はできるの?
そもそも、「嫁が嫌い」という理由で離婚することは可能なのでしょうか。
基本的に離婚には夫婦の合意が必要で、どれだけみなさんが嫁に対する愛情を失っていても、嫁が同意してくれなければ離婚をすることはできません。
逆に言うと、嫁の同意さえ得られれば理由に関係なく離婚は可能です。
また、次のようなケースでは嫁から離婚を拒否された場合にも離婚できる可能性がありますので、詳しくチェックしていきましょう。
(1)嫁のモラハラ・不倫などの事実があれば可能
夫婦間の話し合いで離婚の合意が得られなかった場合、家庭裁判所に申し立てることで調停・裁判へと進むこともできます。
その際、もし嫁から日常的にモラハラを受けている・嫁が不倫しているという事実があれば、法的な離婚事由に該当するとして離婚が認められるケースも多いのです。
しかし、こういった離婚事由を裁判所に認めてもらうためには、その事実を証明する具体的な証拠が必要不可欠。
離婚の話し合いを始めてからでは相手にも警戒されてしまいますので、離婚を切り出す前になるべく多くの証拠を集めておきましょう。
(2)離婚はできても父親の親権獲得は難しい
嫁のモラハラ・不倫が原因で離婚することになった場合でも、そういった離婚事由と子供の親権をどちらが獲得するかは法律上別の問題として捉えられるため、一般的に父親が親権者となることは難しいのが現実です。
親権を獲得するためには、経済力や子供自身の希望のほか、これまで主に子供の世話を行ってきたのがどちらなのかというポイントが考慮されます。
フルタイムの職場で働く父親は、どうしても普段から子供と接する時間を取りにくいこともあって、 より育児に関わることの多い母親のほうが親権を獲得しやすいというわけです。
詳しくはこちらの記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。
5、嫁が嫌いだから離婚はしたいけれど子供と離れたくない場合
それでは、「離婚したい、でも子供とは離れたくない」という父親がその望みを叶えるためには、一体どうするのがベストなのでしょうか。
考えられる選択肢をピックアップしてみました。
(1)嫁が育児放棄・DVをしている場合は親権を獲得できる可能性が高まる
嫁の不倫やみなさんに対するモラハラは親権の決定に直接影響しませんが、育児放棄や子供に対する暴力がある場合には、いくら母親といえども親権者にふさわしくないとみなされます。
嫁の不倫相手が子供に暴力を振るっているというケースでも、母親に親権を与えると離婚後の生活で子供が危険にさらされるとして、父親のほうに親権が認められる場合があります。
これらに該当する証拠があれば、みなさんが親権を獲得できる可能性も一気に高まりますので、諦めずに手続きを行いましょう。
(2)親権が獲得できない場合は監護権の獲得を目指す
監護権とは、子供と一緒に生活し、その子供の身の回りの世話や教育を行う権利のことで、先ほどからお話している親権の中に含まれる権利のひとつです。
特別な事情があれば親権と監護権をそれぞれ別の親に与えることもできるようになっています。
たとえば親権者としてふさわしいのは母親でも、その母親が仕事で長期の海外赴任が必要になったなった場合など、普段の子供の世話をするのに父親のほうが適任と判断されれば、親権は母親に・監護権は父親にと振り分けられるケースもあるのです。
どうしても親権の獲得が難しそうなときには、監護権だけでも獲得できないかどうか考えてみると良いでしょう。
(3)面会交流権で子供と会う機会を確保する方法もある
親権・監護権が獲得できない場合でも、法律では離れて暮らす親と子供が顔を合わせる機会を設けるための面会交流権が定められています。
これは子供が健全に成長していくために必要な権利とも考えられており、月に1回程度のペースで会うのが標準的ですが、親子の仲が良い場合には週に1回、逆に遠方に住んでいてなかなか足を運ぶのが難しい場合には3ヶ月に1回など、状況に合わせて柔軟に取り決めを行います。
6、嫁嫌いで離婚に向けた動きを進めたい!
ここまで見てきたように、いくら嫁のことが嫌いでも子供と離れ離れになりたくない場合、親権を獲得するのが難しい父親にとっては現在の結婚生活をどうにかして維持することが落としどころになる場合も多いでしょう。
しかし、それでもやはり嫁との暮らしが苦痛でもう我慢できない!というときには、親権のことも含めて弁護士に相談してみるのがおすすめです。
離婚後の生活費や財産分与のことなど、弁護士はみなさんの悩みを解決するための提案をトータル的に行ってくれます。
万が一調停や裁判に発展したときにも、そのまま手続きを任せることができるので安心です。
離婚事件に強い弁護士を選ぶコツはこちらの記事でご紹介していますので、あわせて目を通してみてください。
嫁のことが嫌いに関するQ&A
Q1.嫁が嫌いになり離婚したいと思うようになったきっかけとは?
- 夫への態度が冷たい
- 見た目に気を使わなくなった
- 夫をATM扱いする
- 子育ての方針が合わない
- セックスレス
Q2.嫁が嫌いでも男性が離婚を踏みとどまる理由とは?
- 子供が心配
- 経済的理由
- 世間体
Q3.嫁が嫌いという理由で実際に離婚はできるの?
基本的に離婚には夫婦の合意が必要で、どれだけみなさんが嫁に対する愛情を失っていても、嫁が同意してくれなければ離婚をすることはできません。
逆に言うと、嫁の同意さえ得られれば理由に関係なく離婚は可能です。
まとめ
「嫁が嫌い」というシンプルな理由であっても、夫婦で話し合いを行った結果合意を得ることができればそのまま離婚をすることは可能です。
ただし、嫁が離婚を拒否したり、話し合いが上手くまとまらなかったりした場合には、調停や裁判で決着をつけることになります。
そうなると嫁のモラハラや不倫などの離婚事由がない限り、法的に離婚が認められることは難しいでしょう。
また、離婚が成立しても親権は母親のほうに与えられることが多く、子供と離れたくない父親にとっては厳しい現実が待ち構えていることもあります。
もし「どうしても子供の親権を獲得したい」という思いがあるなら、1度弁護士に相談してみて、より自分の望みに近い形での問題解決を目指しましょう。