マタニティブルーとは、産前・産後の情緒不安定な状況をいいます。
「妊娠して嬉しいのに、気分が落ち込んで涙が出る・・・」
「赤ちゃんが生まれて嬉しいはずなのに、イライラが止まらず不安・・・」
赤ちゃんを授かって、気持ちは嬉しいのに不安感やいらいらが募り、そんな自分に落ち込んでしまうといった悩みをお持ちの女性は多いのではないでしょうか。
妊娠中や産後は、体調が変わりやすい時期ですし、新しい命が育つ大切な時期ですので、マタニティブルーの不安はできるだけ早く解消したいですよね。
今回は、マタニティブルーの対策や、マタニティブルーが原因で離婚を考えている場合の対策について、多数の離婚相談に応じてきたベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
目次
1、マタニティブルーとは?
マタニティブルーとは、妊娠中や出産後のママの感情の変化をいいます。マタニティブルーの症状としては、イライラしたり、急に涙が出たり、切れやすくなるなど、感情の起伏が大きくなるのが特徴です。
妊娠してから、感情が今までと違うと感じる場合は、マタニティブルーになっているのかもしれません。
以下のチェックリストにいくつ当てはまるか、数えてみましょう。
- 訳もなく気分が落ち込んだり、気持ちが滅入る
- ちょっとしたことでイライラする
- 先のことを考えると不安が消えない
- 出産や育児の自信がない
- 突然泣きたくなったり、涙が出たりする
- 倦怠感がある
- 寝つきが悪くなり、眠りも浅い
- 一つのことに集中できず、飽きっぽくなる
- 外出がおっくうでお洒落をすることに関心がもてない
- 仕事に身が入らない
- 夫が嫌いになる、夫に対してイライラしたり怒りを感じる
いかがでしょうか。
目安ですが、当てはまるものが0個の方は、マタニティブルーは出ていないといえます。
1個から3個当てはまった方は、マタニティブルーの可能性はまだ低いといえますが、こういう症状が出るかもしれないと覚えておくといいでしょう。
3個以上当てはまった方は、程度の差はあれ、マタニティブルーの症状が出ている可能性があります。特に8個以上当てはまった方は、身も心も疲れ切って、辛い思いをしているのではないでしょうか。
辛い時は我慢せずに、周りに相談したり、検診時に専門医の紹介を受けるなどして相談してみましょう。
2、マタニティブルーはいつからいつまで?
マタニティブルーは、「マタニティ(妊娠)」とはいえ、妊娠中に限らず、出産後1ヶ月の間はいつでも起こり得る可能性があります。
(1)産前のマタニティブルー
産前、妊娠中のマタニティブルーは、妊娠初期と、出産を控えた妊娠後期に特に生じやすいと言われています。
妊娠初期では、妊娠が分かったとき、つわりが始まったときに、胎盤が形成されるホルモンの変化によってマタニティブルーが起こりやすくなります。
同時に妊娠初期は、切迫流産、切迫早産、前置胎盤になりやすい傾向があるため、不安が増して、よりマタニティブルーになりやすくなります。
さらに、妊娠が予定外だった、夫が思ったほど妊娠を喜んでくれない、夫が体調不良を心配してくれないという状況では、心理的な不安も加わってマタニティブルーになりやすいといえます。
また、妊娠後期や臨月の時期は、身体に目に見える変化が表れやすい時期です。
赤ちゃんが大きく育ちお腹も大きくなる、赤ちゃんに圧迫されて胃の不快感が続く、寝不足が続くといった症状で、マタニティブルーを生じやすくなります。
また、急に産気づいた場合や、陣痛の怖さを想像して不安になることも、マタニティブルーを招きやすい一因といえます。
(2)産後のマタニティブルー
マタニティブルーは、産後にも起こりうる症状です。理由の一つは、体調の大きな変化です。
出産を機に、妊娠中に増えていたエストロゲン・プロゲステロンという女性ホルモン、コルチゾールという副腎皮質ホルモンが急に減少し、こうした変化がマタニティブルーの原因の一つである可能性が指摘されています。
出産前に月経前症候群(PMS)の症状が出やすかった人は、ホルモンバランスの影響を受けやすいという点で、マタニティブルーにもなりやすいと考えられています。
もう一つの理由が、状況の変化です。出産によって、母親になったという実感が沸き、育児や母親になることの責任とプレッシャーが生じることが、マタニティブルーの一因になると言われています。
特に、若年で出産した人や、家族関係が密接ではない人、精神的な疾患を持っている人は、ストレス耐性の点で症状が出やすいと指摘されています。
産後のマタニティブルーに似た症状で、産後うつがあります。
マタニティブルーは、出産後3日をピークに、1ヶ月以内に自然におさまりますが、産後うつの場合は出産後数週間から数か月経過後に生じやすく、症状も2週間以上続くといった違いがあります
マタニティブルーは、一時的な心の揺らぎで自然に治りますが、産後うつは治療を要する病気であるため、心療内科等の診断を受けることをおすすめします。
現在は、マタニティブルーは産後うつの前段階と捉えられていますが、マタニティブルーが長引く場合は、医師に相談してみるとよいでしょう。
なお、産後うつについて、詳しくは「「産後うつ」かもしれないと思ったら知っておくべき19のこと」をご参照ください。
3、マタニティブルーの原因とは
マタニティブルーの原因は、ホルモンバランスの変化や、不安感・プレッシャーと言われ、主に次の4つが挙げられます。
(1)ホルモンバランスの乱れ
妊娠すると、妊娠を維持するためのエストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモン、骨盤を緩めるためのリラキシンというホルモンなどの分泌が増えはじめ、臨月に最高潮に達します。
産後は、それらのホルモンの分泌が急激に減り、代わりに母乳を出すためのプロラクチンというホルモンが増えてきます。
このような急激なホルモンバランスの変化が精神状態にも影響し、マタニティブルーの原因となっていると考えられているのです。
(2)体調不良・睡眠不足
妊娠・出産によるママの体調変化は、体調不良を引き起こすことが少なくありません。
特に、つわりが始まる妊娠初期と、赤ちゃんが大きくなって内臓が圧迫される妊娠後期は、体調の辛さや胃の不快感、腰痛やむくみやすさなどの体調不良を生じやすくなります。
また、産後は、昔は出産後に体力が回復せずに病気になりやすく「産後の肥立ちが悪い」などと言われたように、体調を崩しやすい時期です。
加えて、妊娠中は慣れない体調の変化とお腹の重さ、出産後は定期的な授乳や育児のために、慢性的な睡眠不足になりがちです。これらの妊娠による体調不良や睡眠不足もマタニティブルーの一因と考えられています。
(3)出産への不安・孤独
妊娠中は、赤ちゃんが無事に育っているか、出産は大丈夫かといった不安が募り、周りの何気ない言葉にイライラしたり傷つくこともあります。
また、妊娠中や出産後の不安を夫と共有できなかったり、思うように外出できないといった状況から、孤独感を持つ人もいます。
特に出産前に働いていた人は、産前休暇に入ることで社会から疎外された孤独感を感じ、焦りがちです。このような不安感や孤独感も、マタニティブルーの一因となると言われています。
(4)育児疲れ
出産後のママは、昼夜を問わない授乳などの赤ちゃんの世話だけでなく、家事も行わなければならないなど、体力的に厳しい状況になりがちです。
また、自分の子育ての方法が正しいのかという不安感や、周りのアドバイスがプレッシャーになってしまうこともあります。
こうした不安感は、一人目の出産のときだけでなく、二人目、三人目の出産でも同じですし、子育て疲れは赤ちゃんが増えると倍増するとも言えます。
このような育児疲れも、産後のマタニティブルーの原因となりうると考えられています。マタニティブルーは、誰でもなり得るものです。
とくに、真面目、責任感が強い、心配性といった人はマタニティブルーになりやすく、適当にしたらいいという周りの声にも反発してしまうかもしれません。
ママが無理をして身体を壊しては赤ちゃんも心配します。このときだけでも周りに甘えて、マタニティブルーを乗り越えましょう。
4、マタニティブルーを解消する5つの乗り越え方
マタニティブルーは、病気ではなく心の不調です。
そのため、無理に治そうとする必要はありませんし、治そうとすることがプレッシャーになるなら、「今は辛い時期だ」と考えて静かに過ぎ去るのを待つだけでも有効です。
ただ、マタニティブルーを少しでも解消して気持ちを楽にするために、おすすめの5つの対処法をご紹介します。
(1)話し相手を見つけて不安を吐き出す
妊娠や出産の不安や苦労は、女性だからこそ共有できるという面があります。家族や友人、先輩ママなど身近な人や、助産師・保育士さんなど、不安な気持ちを聞いてもらうと安心に繋がります。
周りにいないという場合には、妊婦さんを対象にしたプレママの集まりを利用してみるのも良いでしょう。
(2)気分転換に軽い運動をする
妊娠中でも、身体に負担のかからない軽い運動をすることは、マタニティブルーの解消にとても効果的です。
最近は、マタニティヨガやマタニティスイミングなど、妊婦さん専門のスポーツ教室も増えてきましたが、ママ仲間もできて気晴らしにもつながる効果が期待できます。
それ以外にも、軽いウォーキングや、朝一番の深呼吸だけでも、気分転換に繋がります。
(3)夫と話し合いの時間を持つ
妊娠中や産後に、夫に父親になる自覚が足りないと感じてイライラしたり不安になる人もいるでしょう。
そのような場合は、妊婦健診に一緒に行ったり、育児書を見てもらったり、胎動を感じてもらうなど、出産についてパパとなる夫にも知ってもらいましょう。
産後の協力も得やすくなる効果も期待できます。
(4)何もしない日を作る
妊娠中は、体重増加に気を付けたり、熱心なママだと胎児教育などに頑張っている人もいるかもしれません。しかし、時には我慢せずに、気分を開放することもマタニティブルーの解消に効果的です。
妊娠高血圧症候群など治療を受けている場合は要注意ですが、時には夫とちょっと素敵なレストランに行く、好きなものを食べることは気分転換に持ってこいです。
また、美容院に行って綺麗にしてみる、コンサートに行くなど一人になってみたり、映画を見て思い切り泣くなど、一人の時間に感情を発散させることもお勧めの方法です。
(5)医師に相談する
マタニティブルーは心の揺らぎで病気ではありません。しかし、うつ状態になると、心身に影響を及ぼすので、心配な場合は医師に相談しましょう。
特に、妊娠中や授乳中は、眠れないからと言って自己判断で市販の睡眠薬などを飲まないようにし、投薬してもらう場合は産婦人科のプロである医師の診断を受けましょう。
5、夫とマタニティブルー離婚を避けるために知るべき2つ
夫・旦那とマタニティブルーによる離婚を避けるためには、2つのポイントを知っておきましょう。一つは、夫にサポートの必要性を知ってもらうこと、もう一つは夫のマタニティブルーを知っておくことです。
(1)夫のサポート
マタニティブルーを乗り越えるためには、夫のサポートが有効です。
妊娠初期には、特に気持ちが不安定になることを理解する、つわりの辛さに配慮するなどの対応が、妊娠中期には食生活の管理につきあう、いっしょに軽い運動を行う、陥りがちなむくみや腰痛対策にマッサージをしてもらうなどのケアがあれば気持ちも楽になります。
妊娠中は重いものの運搬などは要注意なので、パパならではのサポートを発揮してもらいたいものです。
また産後は、ママは出産後の体力を回復するだけでも大変です。子どもと一緒にお風呂に入る、時には家事をするなど、育児に関与することが大きなサポートになります。
(2)夫のマタニティブルー
従来、マタニティブルーは女性特有のものと考えられていましたが、近年は夫もマタニティブルーになる可能性が指摘されています。
マタニティブルーの原因であるホルモンバランスの変化こそありませんが、妊娠中や産後の妻に気を遣うことがプレッシャーになったり、子育てへの不安、子どもに妻を取られたと感じることの焦燥感や寂しさが、夫のマタニティブルーの原因となりうると言われています。
妻としては、自分一人でも大変なのに夫にまで気が回らないというところが大きいと思いますが、一緒に産院を見に行く、赤ちゃんのグッズを一緒に選ぶ、ゆっくり話し合うなどして、夫婦双方のマタニティブルーの解消につなげて乗り越えましょう。
6、知っておきたい慰謝料や離婚の流れ
(1)マタニティブルーで離婚できる?
近年、「産後クライシス」という言葉を耳にするようになりました。
産後クライシスとは、夫婦の愛情や信頼関係が、産後2年以内に急速に冷える状態をいい、妊娠中のマタニティブルーが原因となっていることもあります(「産後クライシスを乗り越えて幸せになるために知っておくべき13のこと」参照)。
マタニティブルーを原因とした離婚は、夫婦当事者間が合意すればすることができます。
しかし、配偶者が離婚に応じないといった場合は、マタニティブルーによる情緒不安定は法的な離婚理由にはならないので、マタニティブルーが「婚姻関係を維持し難い重大な理由」にあたることを主張して、裁判などで認めてもらわなければいけません。
具体的には、夫・妻が親としての自覚がない、精神的DVともいえる暴言を受けた、夫が同居義務を果たさない等の個別の事情を積み上げて、合理的に主張することが重要になります。
「「離婚したい!」と思ったら知っておきたい12のこと」も併せてご参照ください。
とはいえ、マタニティブルーは一時的な心の揺らぎです。
離婚することが本当に良いのかも含めて、専門家に相談して見ることをおすすめします。「離婚の相談は弁護士?ケース別ベストな相談先をご紹介」も参考にしてみてください。
(2)マタニティブルー離婚と慰謝料の関係
マタニティブルーは、それだけでは離婚の原因にならないので、マタニティブルー離婚で慰謝料を請求するのは難しいと言えるでしょう。
ただし、マタニティブルーで情緒不安定の間に夫が浮気をしたような場合には、不倫は法律で定められた離婚事由にも当たりますし、精神的苦痛を被ったとして慰謝料を請求することができます。
マタニティブルーによる情緒不安定で慰謝料を請求するためには、配偶者に「悪意の遺棄」ともいえるほど放置された、DVともいえる暴言や暴力を受けたなどの事実を、証拠を示して主張していく必要があるでしょう。
(3)マタニティブルーで離婚する場合の手続きの流れ
マタニティブルーが原因で離婚する場合、まず当事者で話し合って離婚を決めます(協議離婚といいます。詳しくは「協議離婚(話し合いの離婚)で高額の慰謝料を勝ち取るための全手順」を参照ください。)。
この場合は、夫婦が合意すれば離婚の理由は何でもよいので、マタニティブルーを原因として離婚することもできます。
夫婦で話し合いの結論が出ず、協議離婚できない場合は、調停委員という第三者を間に入れて話し合いを行う「調停離婚」を行います(詳しくは、「離婚調停の期間と調停を有利に進めるために知っておくべき9つのこと」をご参照ください。)。
調停でも話し合いがまとまらない場合は、離婚裁判をして裁判官に判断してもらうことになります(裁判離婚といいます。詳しくは「離婚裁判にかかる期間と早期に終了させる方法」と「離婚裁判の流れや進め方について知っておくべきこと」をご参照ください。)。
これらの手続きで、間に弁護士を頼めば、自分の代理人として配偶者と交渉したり、裁判で争ってもらうことができます。
マタニティブルーが原因で離婚する際に、配偶者とは会いたくないといったような場合や、自分ではどのように手続きを勧めたらいいか分からないといった場合には、弁護士に依頼して離婚手続きを進めてもらうとよいでしょう。「離婚に強い弁護士に出会うために知っておくべき7つのこと」もご参照ください。
(4)離婚時に決めておくべき5つのこと
①親権
離婚する夫婦に未成年の子どもがいる場合、親権者を決めなければ離婚することはできません。
出産前で妊娠中に離婚する場合は、親権者は必ず母親となりますが、出産後の場合は夫婦で話し合って決めましょう。「親権とは?子どもの親権を獲得するための知識を弁護士が解説」も併せてご参照ください。
②養育費
子どもを監護する親は、子どもが成人するまで(満20歳に達する月まで)、もう一方の親に子どもの生活費などを請求することができます。
養育費の額、支払方法などを決め、もし支払いが滞った場合に強制的に支払ってもらえるように、公正証書にしておきましょう。「離婚時の養育費の相場とできるだけ多くの養育費をもらうための方法」と「離婚協議書を公正証書にする方法とその書き方」もご参照ください。
③財産分与
夫婦が結婚している間に築いた財産を分けることを財産分与と言います。
不動産や車、預貯金や株などが対象になるので、心配な場合は弁護士に相談することをおすすめします。詳しくは「財産分与|離婚時にできるだけ高額を獲得するために知っておくべき全てのこと」をご参照ください。
④年金分割
年金分割とは、夫婦の間の年金保険料納付額に差がある場合に、より高額を納付した方からその配偶者に対し、離婚に際して納付分を分けて、受給できる年金の額が比較的平等にすることをいいます。詳しくは「離婚時の年金分割をできるだけ多く獲得するための全手順」をご参照ください。
⑤婚姻費用
実際に法的に離婚するまでの間の生活費を婚姻費用と言い、生活費や住宅費などが含まれます。収入がある配偶者が生活費を払わない場合は、婚姻費用分担請求をすることができます。
詳しくは「別居時の婚姻費用の計算ツール|正しい計算方法も教えます」をご参照ください。
(5)離婚に備えて知っておきたい公的支援制度
マタニティブルーが原因で離婚する場合、妊娠中、出産後を問わず、小さい子どもを抱えて離婚することになります。このようなケースでは、一人親家庭(母子家庭・父子家庭)への公的支援を知っておくと役に立つことも大いにあります。
具体的には、
- 「児童付与手当」(一定の手当てが地方自治体から払われるもの)
- 「母子及び父子福祉資金貸付金」(満20歳未満の子どもを扶養する一人親に払われるもの)
- 「ひとり親家庭等医療費助成制度」(一定年齢以下の児童を養育する低所得者への医療費補助(マル親))
- 税金の優遇措置、住宅がない場合の「公営住宅優遇措置」
などがあります。
どんな支援を受けられるか、まずは住居地の役所に問い合わせてみましょう。また、「離婚したいけどお金がない方が知っておきたい離婚までの道のり」もご参照ください。
Q&A
Q1.マタニティブルーとは?
マタニティブルーとは、妊娠中や出産後のママの感情の変化をいいます。マタニティブルーの症状としては、イライラしたり、急に涙が出たり、切れやすくなるなど、感情の起伏が大きくなるのが特徴です。
妊娠してから、感情が今までと違うと感じる場合は、マタニティブルーになっているのかもしれません。
Q2.マタニティブルーはいつからいつまで?
産前、妊娠中のマタニティブルーは、妊娠初期と、出産を控えた妊娠後期に特に生じやすいと言われています。 妊娠初期では、妊娠が分かったとき、つわりが始まったときに、胎盤が形成されるホルモンの変化によってマタニティブルーが起こりやすくなります。 同時に妊娠初期は、切迫流産、切迫早産、前置胎盤になりやすい傾向があるため、不安が増して、よりマタニティブルーになりやすくなります。 さらに、妊娠が予定外だった、夫が思ったほど妊娠を喜んでくれない、夫が体調不良を心配してくれないという状況では、心理的な不安も加わってマタニティブルーになりやすいといえます。
Q3.マタニティブルーの原因とは?
妊娠すると、妊娠を維持するためのエストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモン、骨盤を緩めるためのリラキシンというホルモンなどの分泌が増えはじめ、臨月に最高潮に達します。 産後は、それらのホルモンの分泌が急激に減り、代わりに母乳を出すためのプロラクチンというホルモンが増えてきます。 このような急激なホルモンバランスの変化が精神状態にも影響し、マタニティブルーの原因となっていると考えられているのです。
まとめ
いかがですか。マタニティブルーは、誰にでも生じえます。一時的な心の不安とはいえ、乗り越えるのに辛い思いをする方もいるでしょう。
医師や弁護士など、専門家に相談するなどして、少しでも不安を取り除き、ご自身の体と赤ちゃんの元気を一番に考えて、周りに頼ってみることをおすすめします。